以前にご紹介した哲学者千葉雅也さんの「現代思想入門」ですが。
哲学好きな方にはぜひ読んで頂きたい本です。
いろんな哲学者のいろんな哲学書よりは断然読みやすいです。
めちゃくちゃ親切設計でした。
とは言え、やはり哲学書なので
難しい部分もありました。
びゃんびゃん読めるわけではない。
で、感想文書くにも難しい。
全然知らない哲学者がばんばん出てきます。
で、忠実に書くの無理。
なのでやっぱり勝手につまみ食い風の読書感想文です。
正しいかどうかと聞かれればきっと正しくない。
でも、いいの。
この本のテーマは
「二項対立の脱構築」
このことについて現代の哲学者たちの意見を
比較したり
戦わせたり?
そしてついには
まとめあげられていく。
そう統合へ向かっていく。
そんな風に感じた。
統合、大好きだから。
二項対立とは
善悪、正誤、男女、優劣・・・とかそういうやつ。
そういった
社会や思想やもしかしたら経済やら
対立する二つのもの
という概念にがんじがらめになっている
この構造自体を
ちょっと抜け出してみよう!
その抜け出し方をいろいろな哲学者が論じている?
そんな風に理解しました。
二項対立。
二元論でもいいのかな。
二元論でいうと
非二元が絶対的にすばらしい!みたいに
スピ界では言われている感じがしていて。
二元 VS 非二元
という二項対立が起きてるんちゃうん?
なんて疑問も感じつつ。
もうその無限ループ的な感じがちょっと嫌でして。
だからこその
脱構築!
期待通りでした。
どっちが優れていて
どっちが劣っている。
その判断、いったん保留!
判断せんとたい。
どっちが優れているなんて
どっちが正しいなんて
ほんとのほんとのほんとは
決められんじゃん?
その「ほんと」が適用されるレベルって
どのレベル?
的な議論が続いていくのです。
で、千葉さんの意見がちょいちょい語られるの。
どっちもどっちで決められないけど
決めなきゃいけないことばっかりじゃん?
ハンバーグか?
トンカツか?
う~!
やっぱり、今日はハンバーグ!
選ぶじゃん?
でもそのとき絶対的に
トンカツに対する未練ってあるじゃん?
その選択の際の未練。
「そうした未練こそが、まさに他者性への配慮なのです。」
他者性という少し概念的な言い回しを使ってあるけど。
めちゃくだけた感じに勝手にすると
「次は絶対トンカツの食べてあげるから待ってね!トンカツくん!」って
なる、みたいな。
あるいは。
一緒にいた友達はトンカツを選んだとして。
トンカツをあっさり切り捨てて未練なく私がハンバーグを選んだとして。
「は?お前、なにトンカツなんか油っこいもん、選んでんの?」
と、なるより
トンカツに対する未練たらたらで、ハンバーグ選んだ私の方が
「そうだよね~!トンカツも美味しそうだよね~!」
って、その友達にいえるよね!?みたいな。
なんか優しいでしょ?その方が。
千葉さんがいいたかったこととはもしかしたらずれてるかもしれんけど
ぜんぜん的外れではなくないですか?
で、千葉さんはもっとおっしゃる。
「未練込みでの決断をなす者こそ『大人』」
だと。
まさに。
懐深い感じするもんね。
今の世の中
難しい決断を迫られることが
ものすごく多い。
もう考えたくない!ってくらい。
だけど、なんかしら決めなきゃならない。
その決めた後にさ
自分と違う決断をした人をさ
あんまり責めたくない。
どっちも不確かだから
どっちにも未練があるから
そうだよね?って
決断するのに頑張ったよね、お互いに。
って、労いあうくらい、
優しくいたい。
だから
自分の中にある
未練や
葛藤に
ちゃんと向き合ってあげたいなって
ものすごく思いました。
決断や選択の連続で
日々が過ぎ去っていきます。
それは目の前に二項対立が起っているということです。
迷ったら
未練をしっかり感じていいんですね。
目の前に広がる世界の
見方がまた少し広がりました。
まさに「人生が変わる哲学。」でございました。
巻末には哲学書の読み方とか
おススメの哲学書とか
脱構築の考え方とか
丁寧にレクチャーしてあったので
いろいろな読み方でめちゃくちゃ楽しめる1冊でございました。
今日もマニアックなお話を読んでくださって
ありがとうございます!
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